住むならどっち?
マンションか一戸建てか、タイプ別選択法

これから住宅を購入することを考えている人は、マンションにするのか一戸建てにするのか迷っている方も多いと思います。

当然、両者にはそれぞれメリットとデメリットがあります。また現在の生活における利便性を考えるのか、家族の構成や住居環境を中心に考えるかで答えが違ってくるかとも思います。どちらの住まいを選ぶとしても、それぞれの違いを理解して、自分のライフスタイルや将来設計を踏まえて選択するようにしたいものです。

 

販売価格や住居費で比較してみると


一般的に、マンションは一戸建てに比べて価格が安いと思われがちですが、近年都市部を中心にマンション価格は上昇していて、郊外に多い一戸建てに比べて、駅から徒歩数分以内といった立地やタワーマンションなど、いわゆる「億ション」もあるので一概にどちらが高いとは言えなくなっています。
市区町村別に、価格帯別の物件数を見ると、比較的都市部に近いエリアはマンションが中心になり、逆に郊外のベッドタウンでは一戸建てが主流になる傾向があります。また、広さでみると一戸建ての方に少しだけ分があるようです。よって、一般的には、広さを求めるなら一戸建て、利便性を考えるならばマンションを選ぶと選択肢が広がるといえそうです
住まいは購入した後も住居費としてランニングコストがかかりますが、一戸建てもマンションも毎年、固定資産税・都市計画税を払わなければならないのは同じです。マンションではこれに加えて、管理費や修繕積立金、駐車場代などがかかります。また、修繕積立金に関しては分譲時には比較的安く設定されていることが多いので、何年か後には値上がりする可能性があります。これらの経費は月平均約6~7万円程度だと思いますが、20年、30年といった長い目で見ると1000万円以上のコストになる勘定です。一戸建てだと修繕積立金を考える必要もなく、敷地内に駐車場が設置できれば駐車場代も不要になります。よって、住居費のランニングコスト面からみれば一戸建てのほうが有利のように思えます。しかしながら、一戸建ての建物は自分でメンテナンスする必要があり、不具合が起きた場合に、予想外の支出が強いられることもあるので、十分な計画を立てておくことは必要です。
また、長く住むにあたっては経年による不具合や、子どもの成長などによって間取りを変えたりするためのリフォームが必要となることも考えなくてはなりません。一戸建てでは家の増改築などを自由にできますが、マンションでは玄関ドアの外側は、所有者全員の共用部分なので勝手に修繕や改修はできません。室内のリフォームに限っても図面などを管理組合に提出して承認を得る必要があるなどのルールがあったりします。

 

資産価値から考えてみると


税法上では、一戸建て木造住宅は22年、マンションは47年が耐用年数であるとされています。どちらも築年数が古くなるほど資産価値が下がるのが一般的で、耐用年数的に寿命が長いとされる分、マンションの資産価値の下がり方の方が比較的穏やかとされます
しかしながら、一戸建ては、建物の価値が早く下がってしまう反面、土地の経年劣化がないため価値は大きく減ることはないですし、耐用年数も日頃の維持管理や定期的な修繕をすることで寿命を延ばすことも可能なため、資産価値としては一戸建ての方が有利だといわれています
ただし、マンションの場合、駅から近く利便性が高い立地だと、資産価値が落ちにくいという側面があります。駅付近の開発は複合店舗やオフィスビルへの需要が多く、新規のマンションが建てづらいので、より希少価値が上がり、築20年を経ても分譲価格を上回る額で売却される例もよく見受けられます。少子高齢化時代を迎えて、体力的にも維持管理に手間がかかる一戸建てを売却して、利便性が高いマンションに住みかえる例も増加していて、今後ますますマンションの需要も増えてくると予想されるので、あながち一戸建ての方が資産価値は高いとは言い切れなくなってきているのも現実です。

 

生活環境で比較してみると


マンションの場合は、上下左右が他の住戸と接しているので、生活音のトラブルが発生しやすいことが挙げられます。夜遅い時間に大きな音を立てないなどの配慮は欠かせません。
また、隣近所との関係も希薄になりがちです。わずらわしい付き合いをしなくても済むという方もいるかと思いますが、管理組合などへの参加義務があるので、住戸数が少ないマンションなら輪番制で回ってくることも覚悟しておかなければなりません。
しかし一方で、マンションは空き巣、火事などからの防犯面で優位性があり、玄関管理人の常駐や玄関のオートロック、セキュリティ会社との契約、防災設備などがはじめから整っている場合が大半です。また、保温面や日照面、害虫が入らないなども一戸建てより優位の場合が多く、住むにあたっては意外と重要なポイントと思う人も多いようです。

■主なメリットとデメリット
以上を踏まえてマンションと一戸建てのメリット、デメリットを整理してみると、以下のようになります。

〇マンションの主なメリット

  • 駅から徒歩圏の物件が多く、通勤の利便性が高い

  • セキュリティに優れ、防犯面での優位性がある

  • ゴミ出しが、24時間対応しているなど時間や曜日にしばられない場合が多い

  • 建物の周囲や共用部の清掃はやってもらえる

  • ワンフロアがほとんどで室内段差もなく、高齢者でも安心

  • 保温、日照面に優れ、害虫などの心配も不要


×マンションの主なデメリット

  • 管理費や修繕積立金、駐車場代のコストが掛かる

  • 上下左右の住戸と音のトラブルが発生することがある

  • 隣近所との付き合いが希薄になりがち

  • 管理組合の規約の順守、管理組合への参加が義務付けられる


〇一戸建ての主なメリット

  • 管理費や修繕積立金などがかからない(駐車スペースがあれば駐車場代も)

  • 音のトラブルが少なく、管理規約による制限がない

  • 増改築が自由にできる

  • 近隣や地域との付き合いが密になることが多く、災害時に助け合うなどの関係ができる

  • ペットの飼育などに制限がなく、敷地や庭を利用したガーデニングなども満喫できる


×一戸建ての主なデメリット

  • 建物の維持管理は自己責任、まとまった費用が発生する場合もある

  • 玄関や窓の施錠など、防犯面で気を配る必要がある

  • 階段があると、有効面積が狭くなったり、高齢者の生活スペースが限定されることもある


 

あなたはマンション派?一戸建て派?


上記メリット、デメリットを踏まえたうえで、どういうタイプの人がマンションや一戸建てに向くのでしょうか。家族構成やどのようなライフスタイルなのかにもよって当然選択する視点も変わってくるかと思いますが、簡単なYES/NOチャートを作ってみましたのでトライしてみてください。選択肢の優先度も人によって異なるので、意外な結果が出るかもしれませんが、結果よりも選択する際に考慮したいポイントを整理する際の参考にしてみてください。

YES/NOチャート

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マンションと一戸建ては、購入金額や住居費、資産価値からみても、一概にどちらがお得とは言えず、比較的立地に優れ、自分であれこれする必要がなく便利で手がかからないマンションと、改築しようがペットを飼おうが自由で、よりプライベート=自分の所有物的性質が強い一戸建てというのが両者の特長で、強いて結論的にまとめると、「利便性を重視するならマンション、自由度を重視するならば一戸建て」ということになるでしょうか。
とはいえ、一生で最大の買い物といわれる家の購入、ライフスタイルやライフプランを熟慮し、ご自分や家族の方の優先順位は何なのか、様々な観点からよく吟味することをおすすめします。まずは先入観も忘れ、どちらが得か損かということでもなく、時間帯、平日や土日の様子も考慮して実際に現地へ足を運び、色々な物件を見比べてみれば、ご自身とご家族にとって、許容できない点や、より良い条件は何なのかが徐々に浮かび上がってくると思います。そうすればきっとより好みに合った物件が見つかることになるはずです。

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