ニューノーマルで変わる!? 梅雨から夏の厳しい暑さ対策


熱中症対策が本格化する季節ですが、マスク着用や在宅勤務に代表される新型コロナウイルス感染症を予防するため、新しい生活様式が常態化している中での暑熱対策はどうしていけばよいでしょうか? 蒸し暑い梅雨から夏の厳しい気候を迎えるにあたって、上手な対策法や心得ておくべきこと、あると便利な冷感グッズなどをご紹介していきたいと思います。

マスクをしながら過ごす暑さ対策は?


「新しい生活様式」では、マスク着用が基本的な感染対策として欠かせません。しかし、炎暑の中でのマスクの着用は、マスク内に自分の呼気がたまり高温多湿になりがちで、不快に感じている人がほとんどだと思います。しかもマスク着用時は、着用していないときと比べると心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度が上昇するなど、身体に負担がかかることがあり、高温や多湿といった環境下では熱中症にかかるリスクが高まるおそれがあるため、十分な注意と対策が必要です。
厚生労働省は、「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイント対策として、

  • <屋外で他の人との十分な距離が確保できる場合(少なくとも2m)はマスクをはずして休憩をとる

  • 強い負荷のかかる作業や運動は避ける

  • のどが渇いていなくてもこまめに水分の補給を心がける


を挙げています。
特に不織布マスクは、一般的なマスクでは飛沫の拡散防止に一番効果があるという実験結果が出てはいるものの、顔への密着度が高く、息苦しさや中の蒸れが気になってストレスを感じるという方も多いと思います。また女性の方は密着度が高いので化粧落ちしてしまうのが困るという声もよく聞きます。
最近は、この顔の肌への密着と息苦しさを解消するため、マスクの下に装着して、呼吸がしやすいような立体的空間を作るマスクフレームが何種類も市販されています。非常に軽いプラスチック素材なので装着しても気にならず、何度も水洗いして使用できるため経済的でおすすめです。
また、人と接する機会が少ない場所では布マスクやウレタンマスクに付け替えるといった、不織布マスクと他のマスクを併用するという手もあります。その際に、ガーゼをはさんだり、ハッカやメントールのスプレーで清涼感を演出するなどの工夫すると、さらに良いかもしれません。
さらに、UVカットマスク、接触冷感マスク、保冷剤を入れるポケット付きのマスクや、眼鏡の曇り止めジェルなどのアイデア商品も市販されていますので、これらの暑さ対策用の商品を用途に合わせて活用してみてはいかがでしょうか。

生活用品の冷感グッズで涼しく外出


真夏の通勤や外出、スポーツやレジャーは、気温や湿度も高くなり、不快度も高まり、汗や臭いも気になるところです。
襟付きのシャツを着なければならないオフィス勤務の方におススメなのはシャツの下に着る接触冷感インナー。肌の接触でヒヤッとした感触が心地よく、通気性も良く、吸湿速乾で汗をかいても大丈夫という工夫がされた商品が販売されています。接触冷感タイプのファッションアイテムとしてはシャツの他にもパンツ、アウターなどもそろっていて、UVカットの機能もついた、日焼けを気にする方にありがたい商品もあります。
スポーツやレジャー時の熱中症対策にはパック状の瞬間冷却材が便利です、叩けば冷えて30分は冷たさを持続します。首周りに巻くタイプもありますし、濡れたタオルを瞬時に冷やすスプレータイプなど、シチュエーションに応じて上手に活用してみてください。
関連情報
熱中症&ウィズコロナ対応のウォーキングについて、あんしんまがじんONLINE』の記事「<ウィズコロナの今>健康づくりにも!シェイプアップにも‼期待大のウォーキング 正しい歩き方&これなら続く楽しみ方」をご覧ください。

また、汗っかきの人はこの季節、蒸れ、臭い、べたつきといったお悩みはつきものですね。そんな不快感を解消してくれるのが制汗剤やデオドラント剤、制汗剤は汗を減らし肌の引き締め効果があり、デオドラント剤は特に雑菌の繁殖を防いで汗のにおいを抑える消臭成分が含まれています。制汗効果があるデオドラント剤もあるので臭いが気になる季節には、あわせて対処できるのがいいですね。どちらも運動後や出先で気軽に使えるスプレータイプから、むらなく塗れるロールオンタイプ、持ち運びに便利なスティックタイプ、持続性が高いクリームタイプなど種類も様々、用途に応じて使い分けてみてはいかがでしょう。

エアコンや冷蔵庫の買い替えはお早めに


リモートワークで在宅時間が増えると、エアコンや冷蔵庫がフル稼働となります。エアコンは、熱中症予防はもとより快適な仕事や生活環境を整えるには欠かせないし、冷蔵庫も巣ごもり生活には大事になってきます。
エアコンは送風口にほこりや塵がたまると、冷房効果が落ちたり電気代が余計に増えてしまうだけでなく、人体にも影響を与えるカビが拡散したり、嫌な臭いが発生するので季節前にはクリーニングする必要があります。最近ではエアコン本体でクリーニング機能を持つ新製品も出ていますので、長くお使いの方はこれを機に買い替えを考えてもいいのではないでしょうか。一般的に、エアコンも冷蔵庫も平均寿命は10年前後、修理する場合もメーカーの補修用部品の保存期間が製造打ち切りから9年といわれています。購入から10年をめどに、使っていて異音がしたり冷気の効きが悪くなったり、室内機から漏水があったりしたら買い替えた方がいいかもしれません。電気代の節約にもなります
エアコンのクリーニングを業者に頼むにせよ、新機種への買い替えを考えるにせよ、シーズンのピーク時には問い合わせが集中するので対応が遅れたり、料金的にもオフシーズン期の方が安価の場合もあるので、なるべく早目の対応をおススメします。
関連情報
エアコンについては、『あんしんまがじんONLINE』の記事「ステイホームでかさむ電気代を抑えたい! 暖房家電やグッズの賢い利用術」も参考にご覧ください。

暑さ対策に有効なオススメ便利家電


新型コロナウイルス対策のためには、室内の換気が重要です。一般的な家庭用エアコンは空気を外から取り入れるだけで、換気を行っていませんので、冷房時でも窓を開けて空気の入れ替えを心がける必要があります
部屋を換気する際、原則として「2方向の窓を同時に開けて換気する」ことが推奨されています。ところが、部屋に窓が1つしかないという部屋も少なくありません。そんなときに活躍するのが、部屋の外に空気を出すサーキュレーターです。
扇風機は人に風を当てて涼しくさせるのが目的で広範囲に風を送りますが、サーキュレーターは直線的で強い風が出るようになっていて空気を循環させ、部屋の温度を均一にするときなどに活躍します。この性質を使って、置き方によっては効果的に換気することが可能ですので、ぜひ活用したいアイテムです。基本はサーキュレーターを外に向けて空気を排出すること(窓からあまり離さず設置。下図)。サーキュレーターを窓の下方に向ければ、空気は窓の下方から排出され、新鮮な空気が上方から入り、次第に部屋全体の対流ができ、換気の効率が上がります。もちろん他の窓やドアを同時に開けて換気できる場合でも有効です。ただし、換気扇を併用する場合など、外に向けると逆効果になることもあるので、状況に応じて風の流れを意識して設置してください(扇風機で代用することも可能)。

また、広い部屋の一部に仕事スペース作ってリモートワークするような場合や、狭い範囲だけを冷やしたい場合に役立つ家電としては冷扇機があります。パーソナルクーラー、スポットクーラーなどの名称で製品化されていて、いずれも水道水を注入し気化熱で冷気を作る方式のもので、冷やすパワーは弱めでごく狭い範囲しかカバーしませんが、手軽で比較的コストもかからないので便利です。
さらに、仕事部屋やキッチンなど、場所を選ばずに持ち運びできる、小型扇風機も卓上タイプ、ハンディタイプや、機能的にも静音タイプや首振りタイプ、強力パワータイプなどさまざまなタイプのものが販売されています。ほとんどがUSBで充電でき、デスクやPCにクリップでとめたり、バッグに入れて持ち運びができたり、デザインや使い勝手も色々と対応できるようになっています。首掛け型でヘッドフォン形状のハンドフリータイプなどは、マスク着用の外出時に効果があると思いますのでぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

冷感寝具で快適な睡眠を


ムシムシする熱帯夜は暑くてなかなか寝付けない、寝苦しさで何度も目が覚めてしまうという方も多いと思います。夏の厳しい気候で睡眠不足になると、夏バテしたり、体調を崩す原因になりかねません。そこで快適な睡眠を確保するための冷感寝具を利用されてはいかがでしょうか。
冷感寝具も最近では、敷パッド、掛布団カバー、枕カバー、タオルケットと各種あり、熱伝導を利用して体温を吸収するもの、塩の結晶化/水溶化を利用して熱伝導効率を高めた特殊なジェルを内蔵したもの、ポリエステルや麻のように素材自体の通気性がよく冷感効果を持つものなど、さまざまなタイプの商品が出そろっています。
冷感素材には、最近よく見かける「Q-max値」という冷感効果を測る基準となる数値(高ければよりひんやり感がある)が表示されている製品もありますので、参考にしてみてください。ただし、Q-max値は素材の瞬間的な熱の移動量の数値のため、値が高い素材でもしばらく触れていると冷たさは消えてしまいますので、冷感だけでなく汗や湿気を逃がすための吸湿速乾などの機能も大切です。双方を考慮して選ぶとよいでしょう。

ペットだって暑さは苦手、愛犬や愛猫の熱中症にご用心


熱中症は私たちだけでなく、犬や猫のペットにも命に係わる重大問題です。人には皮膚の汗腺からの発汗で体温調整ができますが、犬や猫には肉球くらいしか汗腺はなく、呼吸によって体温調節しています。しかし、熱が体内にたまりやすく、ひとたび体温が上がるとなかなか下がらなくなり、熱中症にかかりやすくなります。犬や猫が熱中症になると多臓器障害を引き起こす恐れもあるので、高温時の散歩(朝夕でもアスファルト熱がある場合)や、エアコンの無い部屋や車内などに長時間いる場合などは、ぜひ注意を払ってあげてください。ぐったりする、息苦しそうにしている、よだれが多く出る、体が痙攣する、食欲が低下したなどの熱中症が疑われる症状が出たら、涼しいところに寝かせて冷水を飲ませ、全身を冷やし、できるだけ早く動物病院に連れて行くなどの対応が必要です。
ペットの熱中症を予防するグッズとして、ペット用のクールマット、ケージに装着する扇風機、保冷剤入りベストやネッククーラーなど多種ありますので検討してみてはどうでしょうか。また、意外と治療費用がかかります。ペット用の保険なども発売されていますので、いざというときのための備えを考えておくのもよいかもしれません。

日常生活でも心がけたい暑熱対策


新しい生活様式下、外出を控えている方も多いと思いますが、一般財団法人日本気象協会によると、コロナ禍の外出自粛で体を暑さに慣れさせる機会が減ったことが起因して、昨年8月は観測史上最高の熱中症搬送数を記録したということもあって、熱中症を予防するために有効な「暑熱順化」のマニュアルを提唱しています。
熱中症ゼロへ - 日本気象協会推進(netsuzero.jp)
水分をこまめに補給することはもちろん、適度な運動や入浴、規則正しい生活をしてぜひとも熱中症にならないように心がけたいものです。
そのうえで今回ご紹介したハイテクや自然素材を生かした冷感グッズを活用して、暑い夏を乗り越えていきましょう。
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