若くて健康な人も普段から気にしたい白血病の現実

去る2月12日、日本競泳女子の若きエース池江璃花子さんが、自身のツイッターで白血病の発症を告白、日本全国に衝撃が走りました。

若さと恵まれた身体能力を活かした豪快な泳ぎで、続々と日本記録を更新してきただけに、突然の白血病公表を誰もがにわかには信じることができなかったのではないでしょうか。

小児から青年期で多くかかる血液のがん


白血病は「血液のがん」と呼ばれ、かつては不治の病とされていました。がん化した白血病細胞が骨髄内で増殖、正常な血液細胞が減少し、貧血や免疫力の低下、出血傾向、脾臓肥大などの症状を引き起こす病気です。特に免疫力低下による肺炎や敗血症などの合併症が恐れられています。

日本では、1年間に人口10万人あたり男性11.7人、女性7.6人が白血病と診断されており、年間約12000人が発症していることになります(国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」より)。遺伝性ではありませんが、他のがんと比べて若年層の罹患率が大変高いのが特徴で、小児から青年期の方が最も多くかかるがんが白血病なのです(がん罹患者のうち0歳~14歳で38%。15歳~19歳で24%が白血病。出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」)。

白血病の原因は、放射線、化学物質、ウイルスなどではないかと推測されているようですが、その多くは完全には解明されていないようで、広い世代にわたり突然発症します。池江さんのように若く、普段から身体を鍛え上げている、健康体そのもののアスリートですら突如襲われるがん、それが白血病なのです。若年層であっても、体調の変化になにか不安を感じた際は、躊躇せず医療機関で検査を受けたいものです。

今や不治の病ではありません


かつては不治の病とされていたとはじめに書きましたが、治療に関しては近年、飛躍的な進化を遂げているようです。
治療法の2本柱が、抗がん剤を用いた「化学療法」と、「骨髄移植」などの「造血幹細胞移植」です。

まずは化学療法ですが、弊社発行の冊子版『あんしんまがじん』41号「達人に聞く」で取材しましたが、抗がん剤は近年長足の進歩を遂げており、白血病にも大変効果的だということです。

他方、造血幹細胞移植は、造血幹細胞の提供者(ドナー)から提供された幹細胞を移植するという、より直接的な治療法です。場合によっては身体への負担が大きいこともあるため、かつては若く体力がある患者に対してのみ行われる治療法でしたが、より幅広い年齢で行うことが可能になってきているようです。
なお、血縁者にドナーが見つからない場合、造血幹細胞の提供は「日本骨髄バンク」を仲介して行われますが、池江さんの告白以降、バンクへの問い合わせ件数が急増したそうです。

さらに最近は、最先端のがん免疫療法である「CAR-T(カーティー)細胞療法」が注目されているようです。患者さんから免疫細胞を取り出し、遺伝子操作によりがん細胞を攻撃するようにして戻すという治療法のようですが、先日2019年2月20日、厚生労働省の専門部会により再生医療製品として製造販売することが了承されました。費用面などにも注目が集まっていますが、白血病を取り巻く環境に今後さらに光明が差すのではないでしょうか。

子を持つ親御さん
若年層も正しい知識を得ておきたい




白血病には、いまだに難病というイメージがつきまといますが、実際に白血病に襲われた俳優の渡辺謙さん、吉井怜さん、Jリーガーの早川史哉さんらは、見事病魔を克服し、以前と変わらぬ活動やパフォーマンスでファンに勇気を与え続けています。そして、池江さんの完治も心から祈って止みません。

繰り返しになりますが、白血病は小児から青年期に多くかかるがんです。子を持つ親御さんやがん世代ではないと思っている若い読者の皆さんも、白血病について調べるなどして万が一に備えておくことが重要ではないでしょうか。

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