もしあなたが新型コロナウイルスに感染したら?
~万が一のときにあわてないための手順と対応策

ワクチン接種も広がりつつあるとはいえ、変異株の蔓延も危惧され、感染者数も予断を許さない新型コロナウイルス感染症。誰もがかかりうるこのやっかいな感染症にどう向かい合えばよいのでしょうか? また感染が疑われたらどうすればよいのか、万が一罹患したらどうなるのか、意外と知られていないのではないでしょうか? そこで今回は万が一のときにあわてないために、診察までの手順や対応策などを解説したいと思います。実際にコロナに罹患した方の体験談もお聞きしていますので、兆候から発症した際の心構えまで、ぜひ参考にしてください。

実際にコロナの症状が出たら?
診察を受けるタイミングは?
やってはいけない直接の医療機関の受診


体の不調を感じたとき、どんな症状が出ればコロナ感染を疑えばいいのでしょうか? 発症を疑う代表的症状としては、高熱、息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)がまず挙げられます。体験者の例では、それに加えてものを食べたときの味覚や嗅覚が感じられなくなる、などといった症状があるようです。
咳や発熱といった風邪に似た症状でも、高齢者の方や糖尿病、心不全、呼吸器疾患などの基礎疾患がある方、透析を受けていらっしゃる方、免疫抑制剤や抗がん剤治療を受けている方などは、重症化しやすいといわれていますので、まずは感染を疑ってみた方がいいでしょう。個人差はありますが、息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある場合は、すぐにかかりつけ医(発熱外来)か各都道府県の相談センター(保健所内に設置されている帰国者・接触者対策センター等)へ連絡し、指示を得るようにしましょう。また、高齢者や基礎疾患がない方でも、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状が4日以上続く場合は必ずご相談ください。各都道府県で設けられている相談窓口は、厚生労働省のサイトから探すことができます。

▶ 新型コロナウイルスに関する相談・医療の情報や受診・相談センター|厚生労働省

もし自分に該当する症状があった場合は、他人への感染を防ぐため、直接医療機関を訪ねて受診することはくれぐれも控えるようにしてください
センターで相談した結果、症状の聞き取りから感染の疑いがある方には医療機関が紹介されますので、こちらで受診することになります。マスクを着用し、公共交通機関の利用は避けて受診してください。

新型コロナウイルスは感染しても無症状の方もいて、知らず知らずのうちにウイルスを広めてしまいかねないのが厄介なところです。自分が無症状であっても、ウイルスに感染しているかどうかはPCR検査で調べることができ、検査を行う民間の期間も増えていて自費で自主的に調べることができます。自治体によってはエッセンシャルワーカーの方や、飲食店の従業員の方、子育てに携わる方などに向けては無料で検査が受けられるところもあります。ただし、検査の判定の精度は絶対ではなく、感染していてもウイルスが少なく「陰性」と判定されることもあるので注意が必要です。「陽性」と判定された場合は、検査機関でも医療機関との連携をとっているところもあるので、すみやかに所定の機関に連絡し受診するようにしてください。

指定の医療機関で受診をして感染が判明したとしても、その症状によって入院となるかどうかが決まります。高熱が続いていたり、呼吸器症状が強く出ていて重篤化が懸念される場合は入院して治療ということになります。新型コロナ感染症には、「根治的」な治療がなく、毒性が去るまで自然の免疫応答に頼らざるを得ず、重症化した場合は回復への対症療法に限られてしまうという側面があります。
感染が判明し症状が軽度の場合は、自宅もしくはホテルなどの所定の宿泊施設で隔離され、経過を観察しながら、回復までの時間を過ごすことになります。
入院もしくは宿泊施設での療養となった場合、自分が診察した機関から自宅に戻って入院や宿泊の準備をするということは、感染拡大が懸念されるのでできません。よって症状が重いと感じる場合は、あらかじめ入院や宿泊の準備しておいて、家族に持ってきてもらえるようにしておいた方がいいでしょう。
「自宅療養」と「宿泊療養」とのいずれかになるのかについては、
  1. 同居している家族に高齢者、もしくは医療従事者がいるかどうか

  2. 各自治体の用意する宿泊施設の受け入れ可能人数

  3. 本人の意向
等を踏まえて調整することになります。
自宅療養、宿泊療養の期間については、医療機関からの指示によりますが最低限14日間の経過が必要となります。

自宅で治療の場合の注意点

  • 居住空間
    自宅療養となった場合は、個室からなるべく外に出ないようにして過ごす必要があります。部屋を分けることができない場合は、なるべく2m以上の距離を保ってカーテンなどで仕切ってください。換気をまめに行って、トイレ、洗面所、キッチンなどのタオルは別にしてください。ドアノブやリモコン、照明スイッチなど家族の方が触るところは、1日1~2回消毒用のアルコールか、家庭用塩素系漂白剤を水で薄めて拭いた後に水拭きをして消毒してください。

  • 食事
    食事は別にとるようにして、大皿の料理、食器の共用は避け、個々に盛りつけるようにしてください。

  • 看護
    看護する人は、できるだけ1人に限定してください。マスク、手袋を着け、こまめに手を洗い、自分の顔の粘膜(目、鼻、口)をむやみに触ったり、飛沫を浴びたりしないよう気をつける必要があります。

  • 衣類の洗濯等
    厚生労働省によると、タオル、衣類、食器、箸・スプーンなどは、通常の洗濯や洗浄でよく、家族のものと一緒でもかまわないとしています。ただし、下痢など体液で汚れた衣服やタオル、シーツなどを扱う際は、手袋とマスクをつけ、80度の熱湯の中に10分以上漬けてから一般的な家庭用洗剤で洗って完全に乾かすのがよいということです。

  • ゴミの捨て方
    可燃ごみは、必ずプラスチック(ビニール)袋に入れて封をしてから、可燃ごみの袋に入れて口をしっかり縛ってから出してください。不燃ごみ、資源ごみは、モノの表面についたウイルスの生存期間は3日間といわれていますので、家庭内でいったん保管して、1週間程度過ぎてから回収日に出してください。




宿泊施設での観察治療の場合の注意点

ホテルなど指定の施設で宿泊療養となったら、一定期間外出はできません。また家族との面会もできませんが、差し入れ等に関しては、宿泊施設側がいったん受け取って所定の場所でピックアップすることになります。
施設には医師、看護師が常駐していて毎日の体調管理、健康状態への確認が行われます。症状に変化があった場合はすぐに部屋からオンコールで連絡できる体制がとられています。

食事は3食、弁当が用意されるので所定の場所に取りに行くなどが一般的なようです。
宿泊費、食費は原則かかりませんが、タオルなどの日用品に関してはご自身の負担になります。
持参するものとしては

  • 身分証明書 ・健康保険証(コピーでも可)

  • お薬手帳

  • 歯ブラシ

  • 歯磨き粉

  • バスタオル(施設で1枚は用意されていることも)

  • 体温計

  • 部屋着

  • 洗濯機が使用不可のところもあるので浴室での洗濯用の洗剤
また

  • マグカップ

  • 筆記具(ボールペンなど)

  • ウェットティッシュ

  • (折り畳み)傘
などは、持っていった方がいいかもしれません。ホテルなどではアメニティが備わっている場合もあるようですが、特に女性の場合は普段使われているスキンケア用品や化粧品、生理用品なども必要かと思います。
ホテルなどでは、基本Wi-Fiは使用できる環境が整っているようです。外出ができないので外部とのやり取りや情報を把握するため、また時間を持て余さないための映像配信などのためスマホ、タブレットは必携の重要アイテムだと思います。充電器はなるべく複数あれば安心です。
手続は自治体によって多少の差はあると思いますが、東京都の場合は東京都福祉保健局のサイトに詳しい手順が掲載されているのでチェックしてみてください。

▶ 新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養について 東京都福祉保健局


どんなことに気を付けるべき?
実際に感染した経験者の声


新型コロナウイルス感染を経験された方から、今考えればこうしておけばよかった、こんなものがあったらよかった、こんなことが助かったなどの体験談を紹介します。

入院治療、退院後自宅隔離のケース 61歳・男性・事務職

「兆候としては全身の倦怠感がありました。当初は軽症者用の施設で待機を指示されましたが、発熱等の症状から入院へと変更になりました。重症化して自発呼吸が困難になったためICUにて人工呼吸器装着し、6日間麻酔で無意識状態に。意識が戻っても、コロナ治療に加えて体力回復のためのリハビリもあって、退院まで24日間も要しました。退院後も、肺の機能が低下していることから酸素吸入器を持ち帰っての在宅治療を4週間行い、外出時も酸素ボンベを手放せず、ほとんど引きこもり状態でした。入院時は、面会ができないので、必要なものは病院の事務局経由で届けてもらいました。家族も、幸い陰性ではありましたが、2週間の自宅隔離となり仕事にも行けず、迷惑をかけてしまいました。大人数での会食が感染経路のようで、所詮は他人事と甘い考えでいましたが、やはり会食時はもちろん、どんなときでも基本ルールは忠実に守るべきだと痛感しました。感染すれば自分ひとりでなく家族や職場にも迷惑をかけるということを、常日頃から念頭に置いて行動しなければいけません。また、ウイルスは今後もより強力な変異株になっていくと考えられるので、若い世代の人たちも積極的にワクチン接種してもらいたいです」

自宅で隔離療養のケース 53歳・男性・営業職

「味覚障害の兆候がありました。自宅療養を選択しましたが、保健所から食品の支給と血中酸素飽和度を測定する器具(パルスオキシメーター)の貸与を受け、食事や体調管理の心配はなく過ごせました。また、普段から食料や日用品の買い置きがあったため、物資的に困窮することはありませんでした。ただ、食料の支給や器具の貸与は自治体の判断によるようで、支給されるのが一般的ということではないようです。被災時も同様ですが、自分自身でもある程度の日数は生活が続けられる準備と心構えが必要と痛感しました。感染リスクは思ったより身近に存在していることを意識し、昼食時に食堂やリフレッシュルームで複数の人と食事をとることもリスクがあると想定しておかなければならないと思います」

ホテルで隔離療養のケース 33歳・男性・事務職

「まず嗅覚障害を感じて感染の疑いを感じました。ホテルでは必ず毎朝7時起床で体温計測を課せられたのが印象に残っています。私の場合は軽症だったので比較的短い期間の療養だったのですが、とにかく外に何か買いに行くことができないため、日持ちする軽食やインスタント食品を用意しておくべきと思います。ホテル療養でしたが、加入していた保険から入院給付金が受け取れたのが印象に残りました


コロナの医療費の支払いは


新型コロナ感染症は法定伝染病に指定されていますので、医療費は原則公費となっていて、治療・入院に関わる実質負担はありません。体験談の中でもありましたが民間の生命保険や医療保険に加入されている方は、新型コロナウイルスが原因だった場合も加入している保険商品の支払い条件を満たせば、原則、保険金が支払われます。また、医療機関が満床で入院できなかったり、退院が早まったりで、ホテルなどの臨時施設や自宅で療養した場合でも保険金が支払われる商品もあります。新型コロナに限らず、病気で入院や隔離などになるとなにかと経費もかかりますので、未加入の方は保険で備えておくのもよいでしょう。また、重症化して療養が長引いたり、後遺症などで長期にわたり療養が必要になるケースもあるので、余裕があれば、所得補償保険なども選択肢にいれておくのもよいかもしれません。
また、入院や宿泊療養になったときは、ご家族や知人の方にペットのお世話を依頼することになるかもしれません。万が一に備え、検査結果が出る前からペットを預かってもらう準備が必要となります。ただ周囲に預けられない場合はペットホテルなどを利用することになるかもしれません。加入者のペットを無償で預かってくれるペット保険もあるので、ペットと暮らしている方は検討されてみてはいかがでしょうか。


コロナ感染しないためにもう一度確認しておく日常の対策法


以上、万が一、新型コロナに感染した場合の対応を紹介してきましたが、常日頃から感染しないための対策を実行することはいうまでもありません。
当面は不要不急の外出、大勢での会合や食事会などは避け、手洗い、マスク着用の徹底、ソーシャルディスタンス、手指のアルコール消毒などは欠かさぬようにしましょう。
また、免疫を高めるためにも規則正しい生活を送ることも肝心です。コロナ禍の生活に関しての厚生労働省の手引きが公表されているのでぜひ参考にしてみてください。

▶ 新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の実践例を公表しました|厚生労働省

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